駐車場で脚をつけて自立している月極駐車場看板をよく見かけます。目線くらいに高さがある立て看板は、遠くからでも分かりやすいですね。
しかし、自立している看板は風が強い日に、倒れてしまったとか、面板が飛ばされてしまった、という話も聞きます。
「風が強い時は注意してください」と言いますが、どんな注意をすればいいんでしょうか?
そもそも強い風ってどれくらいなのか?
この記事では風の強さの定義と、看板への影響、脚付の立て看板の風対策についてご説明します。
風の強さによる看板への影響
「強い風」と言われても、人によって様々だと思います。どれくらいの風が「強い風」なのか分からないですよね。そもそも基準があるのか、気象庁のホームページを見てみました。すると『風の強さと吹き方』について説明されていました。
引用:気象庁ホームページ『風の強さと吹き方』
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html
キッチリとした定義がありました。風速によって風の呼び方が決まっているようですね。それでは、看板に対してどのような影響があるのか、こちらの表をご覧ください。
『やや強い風(風速10m/s以上15m/s未満)』ですら、風に向かって歩きにくくなると書かれています。風速は平均での表示なので、瞬間的にはもっと強い風が吹いています。
屋外に貼っているポスターなら剥がれて飛んでしまう風の強さです。
駐車場看板は風をまともに受けます。立て看板でなくても、劣化したフェンスが壊れる可能性もありますし、近くに車があれば、傷を付けてしまうかもしれません。
さらに『強い風』になると風速15m/s以上、上の表では「看板やトタン板が外れ始める」と書かれています。風速15m/sが看板にとってのデッドラインになります。
トタン板が外れるくらいですから、いくら鉄クイを打って固定している立て看板でも、面板を固定しているビスが外れて飛んでしまう可能性もあります。
看板が飛んでいって人や車、外壁に傷を付けてしまっては大変です。天気予報で『風速15m/s』や『強い風』という表現がある日は対策をしないといけませんね。
『強い風』が吹く手前の、『やや強い風』の段階で対策をしましょう。傘をさすのが困難になると合図です。
看板を飛ばさない風対策方法
では、立て看板の風対策として、具体的にどのような対策をすればいいのか考えてみましょう。
風に強い材料を使う
面板は塩ビよりもアルミ複合板をおすすめしています。塩ビは柔軟性があるのが特徴ですが、強風の際にはそれが仇となります。
風に煽られるとたわみができるので、面板が動きやすくなります。そうすると結束バンドやビスで止めている穴が徐々に大きくなり、割れてしまいます。面板だけが風に飛ばされてしまう可能性があります。
腰のあるアルミ複合板はたわみが少ないので、割れることはほとんどありません。
また、看板の素材ではないのですが、横断幕用の素材に『メッシュターポリン』という生地があります。文字通りメッシュ状になったビニール生地です。こちらを使って看板を作る方法があります。風の影響を通常の半分に抑えることができます。
横断幕として910×600mmのサイズでご注文いただければお作りできます。
ハトメ加工が出来るので、ワッシャーを使えば脚付き木枠にビスで固定できます。
デメリットとしては、メッシュ生地なので裏からの光を通します。光の加減によっては色が薄く見えます。下の画像は、ターポリンとメッシュターポリンの横断幕を比較したものです。
同じ色ですが、穴が開いている分メッシュターポリンの方が薄く感じます。また、後ろが透けて見えるので、小さな文字は、読みにくくなる可能性もあります。
ですが、海岸の近くや周りに建物のない広い駐車場等、日常的に風の強い場所では、看板が飛んでしまうよりもいいですね。
正しく設置をする
立て看板は確実に設置することが重要です。中途半端な設置をしていると、風に煽られ看板が動いてしまい、止めている針金やビスが緩んでしまいます。
一番重要な部分は鉄杭です。半分くらい打ち込めばしっかり固定できるので、ハンマーを使って確実に打ち込んでください。クイを真っすぐ打ち込む方法をこちらのブログでご紹介していますのでご参考にしてください。
鉄クイがしっかりしていても、支柱への結わえ方が弱いと強い風が吹いた時にグラつきます。『しの』を使ってしっかりと針金を締めあげることが大切です。『ペンチ』でも良いのですが、どうしても『しの』程強く締め上げることはできません。
真っすぐ打ち込んだ鉄クイに、針金でしっかりと結わえれば、やや強い風なら耐えることが出来ます。『しの』と『ハンマー』を含んだ看板取り付けセットをご用意していますので、お持ちでない方は是非こちらをご利用ください。
面板を外す
先述した通り、立て看板で面板部分は風をまともに受けます。『強い風(風速15m/s以上20m/s未満)』が吹くと分かっている時は、看板を屋内にしまっていただくのが一番安心です。
ですが、鉄杭を打ってやっとのことで自立させた立て看板をバラすのも忍びないですよね。風が止んだらまた立てるというのも面倒な話です。
お勧めの方法としては、一番風を受ける面板だけでも外していただくと安心です。ビスで止めているだけなので、ドライバーがあれば簡単に外すことができます。
瞬間風速では30m/sを超えることもあります。面板を外して屋内へ避難させるのが、風対策として最も有効な方法です。
まとめ
風は風速によって呼び方が決まっていて、『強い風』と呼ばれる風速15~20m以上の風が吹くと、看板は飛ばされる可能性が強くなります。
そうなる前、『やや強い風』の段階で、看板をしまっていただくことをお勧めします。目安としては傘をさして歩けるかどうかでしたね。足を付けて自立させている立て看板の場合は、面板だけを外してしまえば、看板が倒れたり飛ばされたりすることはないでしょう。
看板の設置は、「もしかして飛んでしまうかも」と思いながら手を抜かずに設置することも大切です。
また、日常的に風の強い地域では、風を逃してくれる『メッシュターポリン』の横断幕を看板の代わりに使うのも一つの方法です。是非お試しください。