月極駐車場看板を製作する時、「どんなデザインにしようか?」と思いますが「どんな素材にしようか?」とまでは考えないですよね。
「え?月極駐車場の看板なんてどれも同じ素材なんじゃないの?」と思われているかもしれませんが、看板に使われる素材には色んな種類があります。
この記事では、月極駐車場看板にフォーカスを当て、素材の特徴と選び方、適した設置場所等をご紹介します。
月極駐車場看板に使われる主な素材
月極駐車場看板でよく使われている素材をご紹介いたします。素材ごとに特徴やメリットデメリット、適した設置場所をご紹介していますので、ニーズに合わせてお選びいただければと思います。
アルミ複合板
発泡材(ポリエチレン樹脂)をアルミ板で挟み込んだ三層構造で、しっかりと腰のある素材です。
アルミニウムとポリエチレン樹脂を使っていることから「アルポリ」と呼ばれることもあります。月極駐車場看板で最も多く使われている素材です。
3mmの厚みがあり名前に『アルミ』と付いている素材ではありますが、上述した通り芯材に発泡材を使っているので1㎡あたり2800gと軽く、看板の材料としてよく使われています。看板は重いと設置が大変なので、この軽さは重宝します。
下の画像はアルミ複合板を分かりやすいようにカットしたものです。
三層構造になっているのがよく分かります。表面はアルミ板なので劣化しにくく、腰があり平滑性に優れています。 直接印刷をしても滲んだり歪むことはありませんし、上からシートを貼る場合でも空気が入りにくいので貼りやすく、綺麗に仕上がります。
アルミ複合板のデメリット
角からの衝撃に弱く、運搬中にぶつけたり、落とすと簡単に凹んでしまいます。
ですので、輸送時の破損を防ぐためにも、看板より大きめの段ボールで挟み込むように梱包します。枚数が多い場合は、角を守るために保護材を使用することもあり、簡易梱包が出来ないこともデメリットの一つです。
駐車場に設置する際も、手が滑って看板を落とすと凹んでしまうので注意が必要です。
適した設置場所や設置方法
腰がある素材なので、フェンスや柵等の多少不安定な場所でも、面板をピンとまっすぐ綺麗に設置できます。結束バンドや針金で簡単に設置できます。
月極駐車場看板は二本脚で自立させることも多いのですが、脚を付けて設置する際は、風の影響でどうしてもねじれる力が働きます。
その際、柔らかい素材を使っていると、そのままねじれて壊れてしまう恐れがあるため、ある程度強度があるアルミ複合板が適しています。
また、1,200×910mmを超えるような大きな看板の場合は、しっかり腰ある素材でないと扱いにくく割れてしまう可能性がありますので、アルミ複合板でないと設置は難しいです。
塩ビ板
「塩ビ(えんび)」ときいてもピンとこないかもしれませんが、塩化ビニル(PVC)の略で、「塩ビ管」や「塩ビパイプ」と言えばピンと来る方も多いのではないでしょうか。
「塩化」というその名の通り、塩素と油を反応させ生成されます。熱を加えると加工もしやすく安価であることから、様々な商品に使われています。
接着性に優れているので、インクがつきやすく印刷に向いているため、看板の材料として広く使われています。
厚みも色々ありますが、弊社では駐車場の看板として取り扱いやすい1mm厚のものを採用。重さは1㎡あたり1200gでアルミ複合板よりも軽いです。素材自体は固くしっかりとしていますが、柔軟性があります。
月極駐車場看板はほとんどが屋外で使うので、ビニールの中でも紫外線に強いものを使用しています。また水に強いので雨による劣化が少ないのも特徴です。
塩ビ板のデメリット
熱を加えると加工がしやすくなるということは、熱が加わると変形しやすくなるということです。
真夏の炎天下では、設置の仕方にもよりますが、看板がたわんでしまったり波打つこともあります。
設置する際は看板を結束バンドで少し引っ張るようにつけると、たわみもましになります。
適した設置場所や設置方法
1mm厚で薄くて軽いので、ボンドや両面テープ、ビスを使用してコンクリート壁やタイルといった壁に貼り付けると、スマートに設置できます。
もちろん、フェンスや柵に設置することも可能ですが、先述したようにしっかりと設置しないとたわむので注意が必要です。
軽量ターポリン
ターポリンはポリエステル繊維の布を合成樹脂で挟んだビニール素材の生地です。
元々は船乗りが甲板や貨物が濡れないように、タールでコーティングされた帆布を使っていたことが由来で、タール(tar)を使った覆う布(pall)から、防水シートをターポリン(tarpaulin)と呼ぶようになりました。
初めて聞く言葉のようですが、実はキャンプで使う『タープ』は『ターポリン』からきています!意外とよく知っている言葉なのです。
表面がビニールの生地ですので、防汚性・耐水性が高く、長期間の屋外での使用に適しています。
厚みは0.32mm、重さは1㎡あたり340gで看板素材の中では薄くて軽いですが、耐久性は高いので看板としても使える素材です。
周囲に補強縫製をすれば、住宅展示場でよく見る横断幕や懸垂幕、建築現場の足場シート等、様々なシーンで使用することが出来ます。
また、素材の構造上、燃え広がりにくい難燃素材になっているのも大きな特徴の一つです。
軽量ターポリンのデメリット
腰がないのはデメリットのひとつですね。フェンスに設置する場合は、ピンと張って設置をしないとたるんできます。
あまり大きなものになると自重も加わるので、周囲に補強縫製をしないと破けてしまいます。
また、足を付けて自立させることが難しいので、フェンスや壁のない駐車場ではターポリンの看板を設置するのは困難です。
適した設置場所や設置方法
1㎡あたり340gとアルミ複合板の8分の1以下の軽さです。ガラス面に両面テープ等で設置する場合は軽量ターポリンが最適です。
キレイに剥がせる両面テープで簡単に設置が出来るのでお勧めです。
PP(ポリパネル)
ポリプロピレンとはプラスチックの一種です。
非常に軽く加工性が高い素材で、シャンプーや洗剤のボトルからクリアファイル、タッパー、ビニール袋等様々な商品に使われています。
近年では3Dプリンターの材料としても利用されています。
柔らかく割れにくいというのが最大の特徴です。ご覧のように手で簡単に曲げられます。
1㎡あたり720gでアルミ複合板の約4分の1程度で軽く、持ち運びに向いています。
PP(ポリパネル)のデメリット
紫外線による劣化が早いのがデメリットです。ですので、長期間使うような看板には不向きです。
また、看板素材の中ではインクの接着が弱いです。印刷用のPPは、インクが接着しやすくなる加工をしていますが、傷がつくとそこからインクが剥がれることもあります。
適した設置場所や設置方法
軽くて移動させることも容易なので、カラーコーン用の看板に最適な素材です。
長期使用には向いていないので、一時的に利用するような臨時駐車場や駐車禁止、通行止めといった看板に向いています。
月極駐車場看板としては適さない素材
これらの他にも看板で使われる素材はあるにはあります。ですが、月極駐車場看板には向いていないものもありますので、この章でご紹介いたします。
アクリル
「プラスチックの女王」とも呼ばれている美しい透明性と優れた耐衝撃性を持つプラスチックの一種です。
ガラスよりも透明性と強度が高く、分厚くしても透明度が落ちにくいことから、水族館の大型水槽に使われています。
ただ、摩擦に弱く、表面が傷つきやすいという弱点があります。また、ガラスより強度があるといっても、何かにぶつけたり衝撃があるとかけてしまいます。
角から落ちると割れることもあります。駐車場の看板として使用するには危険ですので、弊社では取り扱っておりません。
ステンレス
マンション名や会社名の表札でよく見かける素材です。
髪の毛のような細く長い筋目がついた『ヘアライン』と呼ばれる仕上げ方法が一般的です。
ヘアライン仕上げをするとつや消しの状態になり、金属の質感がはっきりし高級感を演出できると人気です。
エッチング(腐食)加工で彫るように文字や柄を表現することが多く、おしゃれさや高級感を出したい場合には向いている素材ですが、特殊な加工なので高価なものになります。
月極駐車場の看板としては高価過ぎるので、弊社では取り扱っておりません。
スチール
スチールはいわゆる鉄です。昔の看板にはよく使われており、今でも既製品の看板ではよく見かけます。
ただ鉄なので重いです。フェンスや柵に設置すると負荷がかかり破損することもあります。看板が落ちて人に当たると大変です。
また、錆びが出るのも鉄ならではの特徴です。他の素材に比べて劣化が早く、文字が読めなくなることもありますし、錆が雨で流れて看板の周囲が汚れることもあり、弊社ではお勧めしていません。
趣のあるカフェ等で、敢えて鉄の雰囲気を出し、錆を味としてとらえたアンティーク風の看板を見かけることはありますが、駐車場看板にはお勧めいたしません。
まとめ:月極駐車場看板に最適な素材は?
月極駐車場看板を製作する際は、設置する場所によって最適な素材が変わります。
設置場所と最適な素材をまとめたものがこちら
確かに上記のペアリングの通りでなくても設置しようと思えば設置は出来ます。ですが設置が難しかったり、耐久性が弱くなったり、トラブルの元にもなりかねません。
アクリルやステンレス等、月極駐車場に使用するには不向きな素材もございます。
最適な素材で月極駐車場看板を製作して設置することをお勧めします。